このケースでは、AICFDに搭載されたAI予測機能(Intelligent Forecasting)を用いて特定条件下における潜水艦の抵抗値をシミュレーションします。
AI予測機能は、AICFDの特徴的なモジュールの1つであり、AIによるリアルタイムの結果予測により産業設計シミュレーションにおける解析反復数が膨大になる問題を解決します。
解析対象のモデルは対称形状であるため、半分に分割した形状を使用し、効率的なシミュレーションを行います。
メッシュモデルは、msh形式の48万[cells]を使用します。
今回のシミュレーションには下記表の条件を使用しています。
表1: 解析設定
流れモデル | 非圧縮性 |
乱流モデル | SST k-omega |
時間変化 | 定常 |
作動流体 | Water |
入口条件 | 流速 |
出口条件 | 圧力 |
AI予測機能の手順は、ソフトウェアに学習させるサンプルデータの解析を行います。
サンプルデータの学習完了後に、特定の条件値における結果データを計算します。
このケースでは、入口流速3.043[m/s]時の結果データを予測するために、サンプルデータ解析を40ケース実行しました。
40ケースの条件は、入口流速が1~5[m/s]の間で定義されました。
サンプルデータ解析学習
サンプルデータ学習の完了後に、3.043[m/s]の結果予測を設定すると、数秒の間に解析結果が表示されます。
予測条件の設定
AI予測結果と一般的なシミュレーションの結果を比較しました。
(左)一般的なシミュレーション、(右)AI予測結果
下記の表は、AIサンプルケース数におけるオリジナル解析との誤差です。
サンプル数が40の場合、オリジナル解析との差は2.5%程度となり、高い精度で解析結果を予測することができていることが分かります。
サンプルデータが多い場合、データ準備に時間はかかるものの、より正確な予測結果を取得することが可能となります。