吸気ポートは、自動車エンジンの吸気システムにおける重要なコンポーネントであり、空気と燃料の混合に大きな影響を与えます。設計の初期段階では、吸気量と圧力損失をCFD解析で事前に評価し、設計の最適化を行います。本事例では、入口全圧-出口静圧の条件に基づいて、吸気ポートの圧力損失を解析するとともに、参考値との結果比較による精度検証を行います。
■使用ソフトウェア:AICFD
以下に解析で使用した入口出口条件および乱流モデルについて示します。
表1:解析設定
入口全圧 | 3500 [Pa] |
出口静圧 | 0 [Pa] |
乱流モデル | standard k-epsilon |
以下は、解析した吸気ポートの断面速度分布です。速度場の状態を確認することで、内部でどのような流れが発生しているのかを評価することができます。また、圧力損失の結果は参考値と比較され、計算の精度の検証に使用されます。結果として、参考値と同等の値を確認することができ、AICFDの計算有効性を示すことができました。
図1:断面速度分布
表2:圧力損失の結果比較
質量流量[kg/s] | 静圧[Pa] | 全圧[Pa] | ||
AICFD | 入口 | 0.0467 | 3446.0 | 3500 |
出口 | 0 | 63.3 | ||
圧損 | 3446.0 | 3436.7 | ||
参考値 | 入口 | 0.0501 | 3471.4 | 3500 |
出口 | 0 | 48.8 | ||
圧損 | 3471.4 | 3451.2 |