【AIFEM】タービンロータのモーダル解析と静解析

このケースでは、構造解析ソフトウェアAIFEMを用いたタービンロータのモーダル解析と静解析について紹介します。

AIFEMによる解析結果は参考データ(某商用ソフトウェア)との比較により、ソフトウェアの有効性を示す結果となりました。


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図1: ソフトウェアGUI


モデルについて


解析の対象となるモデルは、ハブ、シュラウド、ブレード7枚で構成されたタービンロータになります。

形状データは.stp形式のものが使用されており、AIFEM内のメッシュ作成ツールにてメッシュモデルが作成されました。


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図2: モデル全体


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図3: メッシュモデル



表1: メッシュ情報

要素数

51754

節点数

15957

自由度

47871



解析条件について


使用する材料はSteelであり、物性値については下記表の条件を使用しています。



表2: 解析設定

密度

7800 [kg/m3]

ヤング率

210 [GPa]

ポアソン比

0.3



静解析は図4の赤部に対して固定拘束条件(XYZ変位ゼロ)が定義され、モデル全体に遠心力の荷重が設定されます。

回転速度10000[rpm]がシャフト軸に対して付与されています。

(モーダル解析は解析の性質上、境界条件はありません。)



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図5: 拘束条件位置



今回の解析では、モーダル解析が5つの非剛体変位モード抽出であり、静解析は線形となっています。



解析結果について


モーダル解析における5つの変位モードの結果と参考結果を並べたものを下記表に示します。



表3: 解析結果の比較

モード
AIFEM参考結果
1image.pngimage.png
2image.pngimage.png
3image.pngimage.png
4image.pngimage.png
5image.pngimage.png



各モードにおける周波数についても、参考結果との比較を行い、誤差1/1000程度であることが分かりました。



表4: 各モードの周波数

モード12345
AIFEM3539.6
4448.0
4464.74645.24673.0
参考結果3539.64448.04464.74645.24673.0



線形静解析におけるミーゼス応力と変位の結果と参考結果を並べたものを下記表に示します。



表5: 解析結果の比較



AIFEM参考結果
ミーゼス応力
image.pngimage.png
変位image.pngimage.png




ミーゼス応力の最大最小値と変位量の比較も行いましたが、こちらも誤差は非常に小さい値となりました。



表6: ミーゼス応力と変位量


ミーゼス応力 [MPa]
変位 [mm]

最大最小最大
AIFEM35.330.190.01
参考結果35.330.190.01



今回のケースでは、AIFEMによるモーダル解析および静解析の結果比較を行い、解析精度の観点からソフトウェアの有効性を確認しました。

これらの結果から、AIFEMは高い解析精度を保持しながら、最先端のインターフェースと解析手法をユーザーに提供することが可能となります。