AICFD は、流体の流れ特性と熱力学特性の評価に対して、数値モデルを使用した迅速かつ正確なシミュレーションを提供する汎用の熱流体解析ソフトウェアです。
・シミュレーションプロセスの統合:
前処理、ソルバ、後処理の各機能を同一GUIに搭載しており、ジオメトリインポート、メッシュ分割、ソルバ設定、結果後処理までの統合的な操作プロセスを提供
・熱流体解析機能:
自社開発によるユニバーサルなシミュレーションソルバを搭載しており、単相流、共役熱伝達、混相流、空力騒音、燃焼、回転機械、熱放射などの幅広い解析ケースに対応
・高速インテリジェントシミュレーションとリアルタイムシミュレーション:
AIテクノロジを統合した機能を持ち、反復計算のジャンプによる高速解析機能や、サンプルデータに基づいて3次元の流れを秒レベルで予測するAI予測機能を搭載
・ターボ機械専用モジュール:
ターボ機械の解析に特化した機能を追加しており、専用の前処理ウィザード、アルゴリズム、後処理を提供する
さらにキャビテーション現象を解析できる混相流の拡張機能も搭載
・電子機器の熱解析専用モジュール:
解析領域、材料、境界、インターフェースなどの複雑な設定に対するシンプルで高速な前処理セットアップウィザードを提供
豊富な熱モデルは、パッケージングコンポーネント、PCB ボード、システム機器、データセンタなどの、電子製品のシミュレーション設計と最適化のニーズに対応
1.前後処理の機能追加とアップデート
2.差分スキームで中心差分をサポート
3.乱流モデルの追加とアップデート
4.混相流VOFアルゴリズムのアップデート
5.混相流VOFキャビテーションモデル(β版)の追加
6.代数マルチグリッド(AMG)法(β版)の追加
7.AI予測アルゴリズムのアップデート
AICFD 2023R2
2023R2では、既存の機能から以下の前後処理機能を追加およびアップデートしました。
・複数メッシュデータのインポート機能
・数千万レベルのメッシュデータインポート
・ガラス、断熱材などの自動車業界における一般材料をライブラリに追加
・境界条件のコピー&ペースト機能、インポート&エクスポート機能を追加
・渦度、音圧レベル、6分力などの結果出力機能を追加
・後処理プロセスの応答速度を最適化(前バージョンより7倍速)
・プロジェクトファイルの保存速度の向上
・騒音解析の後処理機能をアップデートし、遠方界および近方界の計算実行が可能
自動車の1億メッシュモデル | 1億メッシュモデルの後処理 |
大規模メッシュのインポート、インタラクティブ表示
境界条件のコピー&ペースト機能、インポート&エクスポート機能
2023R2には、中心差分などの新しいスキームが追加されており、これは車体の空力解析に対して特に効果的であり、計算精度と安定性が向上します。
(a)車体の圧力コンタ
実測値 | AICFD | 差 | |
抗力係数Cd | 0.251 | 0.254 | 0.003 |
(b)実測値とAICFDの結果比較
2023R2では、IDDES(Improved delayed DES)乱流モデルを追加しました。
これモデルは、自動車の過渡空力問題の解決と空力騒音シミュレーションの精度向上に適しています。
さらに、Realizable K-Eなど一部の乱流モデルも最適化され、ソリューションの精度と効率が向上し、収束の高速化に繋がります。
(a)全圧等値面(色:速度)
(b)乗用車の空力騒音シミュレーション
2023R2は、VOFモデルのアルゴリズム最適化と、実験データ比較による合理性検証によって、計算精度向上が実現しました。
(a)体積分率コンタ(赤:water、青:air)
実測値 | AICFD | 差 | |
抗力[N] (Fr=0.26) | 85.385 | 84.226 | -1.4% |
(b)実測値とAICFDの結果比較
混相流VOFモデルをベースに、ターボ機械内の急激な圧力変化によるキャビテーション現象の発生と崩壊をシミュレーションするために、Zwartキャビテーションモデル(β版)を追加しています。
これによりターボ機械の効率に対するキャビテーションの影響を評価することが可能となります。
翼型流れ解析と実験結果の比較:実験値に対して取得したキャビティ長の誤差は10%未満
収束速度の効果的な高速化を実現する代数マルチグリッド (AMG)法を新たに追加しました。
既存の手法と比較して、計算時間が約20%短縮され、シミュレーションが必要とする計算時間の縮小化が可能になります。
(a)自動車の空気抵抗解析 | (b)AMG-CGとIC-CGの比較 |
AICFDのAI予測機能には、トレーニング履歴計算サンプルを蓄積、追加、モデル化することができるサンプリング機能とトレーニング機能が含まれています。
2023R2では、これまでの単一変数条件に対する予測だけではなく、多変数予測問題をターゲットとしています。
・サンプリングアルゴリズムの最適化
・予測アルゴリズムの最適化により、変数の重みを効果的なバランスで保つことで、予測精度を向上
(a)通常シミュレーション結果 | (b)AIによる予測結果 |
車内流れ解析の予測事例:AI予測結果と通常解析結果の誤差は2%以内
AICFDを用いた応用事例については、弊社Webサイトよりご確認下さい。
本製品に関するお問い合わせについては、info@fstech.jpまでお願い致します。