2022年6月にCAESES5.1をリリースしました。
日頃より最適化ソフトウェアCAESES®をご愛顧頂き、誠にありがとうございます。
この度リリースするCAESES5.1では、GUIの更新・新規アルゴリズムの追加・ビデオチュートリアルのプラットフォーム追加など、様々な機能が追加されることとなりました。
パラメトリックモデリング、解析自動化、最適化といったCAESESの主軸に関して改善が行われたことにより、柔軟な製品設計/最適化が可能となりました。
フィードバックやご意見ご要望を頂いたユーザーのみなさんに心より感謝申し上げます。
CAESES5.1では、Design velocitesを活用して、設計変数がモデル形状に与える影響を可視化することができるようになりました。
Design velocitesとは、設計変数の変化によって生じるサーフェスの法線変位のことです。これにより、設計変数が影響を与える領域をモデル上に表示し、モデル修正の可能性を検討することに役立ちます。
可視化した設計変数の影響
(参考動画:https://www.caeses.com/wp-content/uploads/2022/05/designVelocities.mp4)
☆各アプリケーション専用のワークスペース
Maritine(船舶・海事)およびTurbomachinery(ターボ機械)といった各アプリケーション専用のワークスペース/メニュータブが追加されました。
専用機能へのアクセスが容易となり、必要なツールを簡単に見つけることができるようになりました。
各アプリケーション専用のワークスペース/メニュータブ
☆ポイントの双方向連携
関数やパラメータとして定義されたポイントを動かすと、それまでに設定していたオブジェクトの依存関係を崩すことなく、対応する値がすべて動的に変更されることとなりました。
関数に使用したポイントを動かすと設計変数値とポイント座標値の両方が変更される
☆可視化フィルタの選択
モデルビューにおける可視化フィルタの選択がより細かく設定することができるようになりました。
指定したオブジェクトタイプに選択を制限することができ、複雑なモデルでは正確な形状選択を容易とします。
可視化フィルタの選択
☆Dynamic Object Types
新規オブジェクト作成時にデフォルト設定として、Dynamic Object Typesが使用できるようになりました。
新しいポイント、カーブ、サーフェスといったオブジェクトにはそれぞれ様々な種類がありますが、オブジェクトの作成後に種類を変更することが可能となったことで、モデリング状況に応じて適切なオブジェクトを選択することが簡単にできるようになりました。
サーフェスの作成方法をA→Bに変更したとしても、依存関係が壊れることはなく、柔軟に変更することができるので、事前にオブジェクトを決定する必要はありません。
参考動画:https://watch.caeses.com/w/fugJBRsWgkyWgbABA9rQ7j
☆Curve Control Polygonsの編集機能
カーブオブジェクトの新しい操作として、あらゆるカーブタイプに対してコントロールポリゴンを設定し、編集できる機能が追加されました。
これまで以上に自由度の高いモデリングが可能になりました。
l ポイントの組込、入替、削除
l 指定位置での絞り込み
l 選択したポイントによる再補間
l スタートとエンドのタンジェント調整
l 規定ポイントの変位
(参考動画:https://www.caeses.com/wp-content/uploads/2022/06/CAESES_CurveOperationsPolygon.mp4)
☆スコープのソートによるプロジェクト整理
スコープ(オブジェクトフォルダ)に重みづけをを導入することで、ツリー内のオブジェクト表示順をカスタマイズすることが可能となりました。
これまでは、スコープの順番を構成するために番号を振ったり、アルファベットを無理やり調整してツリーを構成していましたが、Weight in Treeに値を入力するだけで完了となりました。
スコープに番号を振る必要なし
CAESESを効率よく使用するためには各機能について分かりすく知る必要があるため、ビデオチュートリアルを豊富に準備したプラットフォーム提供することになりました。
ビデオチュートリアルは定期的に追加をしており、将来的には役に立つCAESESの総合的ライブラリとして役立つように構築していく予定です。
追加してほしいチュートリアルについては、ご意見ご感想をお気軽にご連絡下さい。
プラットフォームURL:https://watch.caeses.com/
ビデオチュートリアルプラットフォーム
☆初期設計デザイン作成のための、新しい適合サンプリング法
新規のアルゴリズムとして、ラテン超方格サンプリング手法(最適化ツールDakotaに搭載されている適合サンプリング手法)が追加されました。
適合サンプリング手法を使用する目的は、計算コストのかかるシミュレーションの正確な予測因子として使用できるサロゲートモデルを構築することになります。
従って、できるだけ少ないシミュレーション回数によって、対象領域全体の誤差を最小にするサロゲートモデルを構築することが有利となります。
ここでの適合とは、ランダムな選択や標準的な空間充填技術に完全に頼るのではなく、特定の関心領域にシミュレーションサンプルを集中させることによって、サロゲートモデルを改善していくを指します。
この手法は、ラテン超方格サンプリング手法によるシミュレーション結果の初期セットに基づいて、ガウス過程回帰モデルを代理として使用します。
エラーが予測される設計空間の領域においては、追加のデータポイントによる反復が行われることになります。
☆ペナルティ関数を用いたOne Step Steepest Descent
One Step Steepest Descentは、小規模な単一目的関数の最適化問題に使用される非常にシンプルな最適化アルゴリズムです。
このアルゴリズムの利点は、最初の改善点を見つけるために必要な評価回数が非常に少ないことです。
第1段階では、n+1回の評価を行って目的関数のn次元勾配を決定します。
nは考慮する変数の数であり、勾配が決まると最も急勾配の方向に最適結果を一次元的に探索します。
アプローチの単純さから、このアルゴリズムで得られた設計は最適候補ではありませんが、最適な設計を見つけるための最初の一歩として活用することができます。
・BRepモデルの回転:カーブオブジェクトを回転させることで、BRepモデルが作成可能
・設計空間の次元圧縮:
ユーザー定義の設計変数から作成した主要パラメータによる詳細な制御
主要パラメータの値をユーザー定義の設計変数に逆変換
Dakotaによる次元圧縮手法の活用
・BRepモデルでの曲率可視化と調査
CAESESを用いた応用事例については、弊社Webサイトよりご確認下さい。
CAESES5.1に関するお問い合わせは、info@fstech.jpまでお願い致します。