2020/10/01

【リリース情報】TCAE 20.09

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 TCAE®ソフトウェアは既に開発、販売、サポートを実施していたTCFD®というソフトウェアベースに開発を行いました。TCAE®ソフトウェアは元々、流体計算を実施するTCFD機能に加え、TMESH、TFEAおよびその他の機能モジュールが含まれています。単一のGUIにてメッシュ生成、流体解析、構造解析および流体-構造連成解析を迅速かつ簡単に実行でき、作業効率を大幅に向上させることができます。


 TCAE®は操作が分かりやすいエンジニアリングシミュレーションソフトウェアであり、TCAE®には、50程度のオープンソースパッケージが含まれており、オープンソース(無制限使用)と商用コード(GUI、無制限技術サポートなど)の両者の利点があります。

 

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 本事例はTCAE®ソフトウェアを使用して、流体から力を受けた片持ち梁上の球が変形するサンプルを流体構造連成解析を実施した内容です。モデル概略図を下図に示します。

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片持ち梁:長さL = 1m、直径D = 1 cm(円筒形)、材質:鋼鉄

球:直径D = 30 cm、材質:鋼鉄

作動流体:空気

流速:30 m/s

 設定ファイルをTCAE®にインポートして、メッシュ作成と流体-構造連成解析を行います。TCAE®シミュレーションワークフローは完全に自動化されています。メッシュサイズ等のパラメータ、流体解析境界条件と構造解析拘束条件、材料物性、その他の条件等を設定した後、ワンクリックですべてのシミュレーションを実行し、解析レポートを生成できます。

 TCAE®は、さまざまなソフトウェアモジュールで構成されています。今回の作業手順はモデルインポート→CFDメッシング→FEAメッシュ作成→流体計算実行→流体構造連成(マッピング)→構造計算実行→レポート作成です。TMESHモジュールでは流体、構造計算用のメッシュを作成します。TCFDモジュールは流体計算を実行し、流体計算結果レポートを出力します。TFEAモジュールは、流体構造連成用のデータマッピングを実施し、構造計算を実行、構造計算結果レポートを出力します。今回のモデルは形状に対称性があるため、ハーフモデルにて実行しています。

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流体解析用メッシュ

流体解析用メッシュは、TMESHモジュールで作成され、メッシュ数は489,620セルになります。

流体解析用メッシュ図を下図に示します。

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構造解析用メッシュ

節点:63135、要素:189666

構造解析用メッシュ図を下図に示します。

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計算実行

 メッシュ作成、流体解析設定、構造解析設定後、ワンクリックで全ての計算を実行でき、実作業、例えばメッシュ作成/保存、解析実行、データマッピング、レポート作成等は全て自動で実行されます。

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解析結果の比較

理論解とTCAE®の解析結果比較を次表にまとめています。

項目

理論解

TCAE®解析結果

最大変位[mm]

26.60

27.75

最大応力[MPa]

83.78 

92.48


最大変位の差は約5%、最大応力の差は約10%となり、比較的良好な計算結果となっていることが分かります。

下図は、変形した片持ち梁の応力と変位を示しています。変形スケールは10倍になっています。

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 TCAE®による流体-構造連成解析は、計算精度が高く、計算設定が簡単です。流体計算と構造計算のデータを自動的に関連付け、作業効率を向上させます。

TCAE®に関してのお問い合わせは電話またはinfo@fstech.jpからお願いします。