船舶の形状最適化において、1つのケースの解析時間と計算リソースのコストを考慮すると、エンジニアはできるだけ少ない計算ケース数で最適な設計解を見つける必要があります。そのため、合理的な最適化戦略の選択が特に重要となります。
本記事では、汎用最適化プラットフォームAIPODを使用した船舶最適化について紹介します。
最適化対象となるモデルはKCS船型です。モデルの参考画像を下記に示します。
図1-3 最適化対象モデル
最適化実行を行った条件を下記に示します。
表1 最適化条件
使用ソフウェア | AIPOD(最適化) CAESES(モデリング) 商用ソフトウェア(CFD解析) |
目的関数 | 抵抗力Rt |
拘束条件 | なし |
設計変数 | 8個(船尾体積、バルバスボウ角度) |
最適化計算はAIPODに搭載されたSilverBulletアルゴリズム、Silverwingアルゴリズム、BoundBreak機能を使用して実行されました。また、他アルゴリズムとの比較を行うため、計算サンプル数は制限されています。
最適化計算の各結果を下記に示します。AIPODの代理モデル最適化戦略により、0.88%の抵抗値削減が達成されました。
表2 最適化計算結果
AIPODに搭載されたSilverBulletアルゴリズムでは、一般的な最適化手法と比較してより最適化効果が高く、少ない計算回数においても有効であると考えられます。また、代理モデルを活用した最適化では、最も高い最適化効果を示すとともに、改善の余地もあるため、より優れた最適候補の取得が可能であると考えられます。