シュラウド付きインペラを持つウォーターポンプの形状最適化では、多数の設計変数を持つ効率的なパラメトリックモデルであることが重要となります。
今回は形状のバリエーションが多く、微調整の自由度が高い、ウォーターポンプの設計/モデリングについて紹介していきます。
CAD機能を備えた最適化ソフトウェアCAESESでは、ロバストなパラメトリックモデルを設計者のアイデアを織り交ぜながら柔軟に作成することができ、設計プロセスのあらゆる場面で活用されます。
ハブ・シュラウドの断面形状、リーディングエッジのカーブなどの断面形状を構成するパートには、設計変数が追加されます。
自由な変形を持つ2D断面形状を3Dモデルにすることで、断面形状の変形に連動して3Dモデルに自動変形処理が行われます。
パラメトリックな断面形状の変化
インペラブレードのキャンバーサーフェスは、テータ関数を用いて定義されます。
設計変数に対して単一の値ではなく、関数による曲線定義を行うことで、従来の手法では作成することができなかった形状を作り出すことが可能となります。
キャンバーサーフェスに組み込まれたテータ関数
ユーザー定義の厚み分布を、キャンバーサーフェスの法線方向に対して適用することで、ブレード厚みの形状を制御します。
リーディングエッジの変化や、リーディングエッジからトレーリングエッジまでの厚み分布を変化させる設計変数を追加し、ハブからシュラウドへスイープしながら半径方向に厚みを変化させるといった構成も適用可能です。
ブレードの変形
ブレードのサーフェスモデルを作成したら、ブーリアン演算を使用してハブ・シュラウドと組み合わせてインペラモデルを作成します。
また、ブレードとハブの間/ブレードとシュラウドの間には、フィレットを追加することで滑らかなモデルとなるように調整を行います
ポンプ上部から見た全体の変形挙動
ブレード部にズームした変形挙動
ここまでのフローについてのさらなる詳細情報は、以下のURLにある開発元が共有するPDF資料をご覧ください。
CAESESによる最適化計算結果の確認
CAESESは様々なCFD解析ツールとの連携により、ユーザーの設計業務を支援することができます。
ウォーターポンプのパラメトリックモデルから、周期形状としてのモデリングを行うことで解析コストを削減したり、境界ごとに色を設定してパッチの自動判別を設定したりと、あらゆるツールとの連携を考慮したソフトウェア設計となっています。
CAESESで作成した周期モデル
CAESESでは、ロバストなパラメトリックモデリングから、最適化までの一連のフローを実施することで、これまでになり最適候補を取得することが可能になります。
自動化は、CAESESのキーワードのひとつでもあり、ユーザーの負担を減らすソフトウェアとして、ポンプなどのターボ機械のみならず自動車・船舶・航空宇宙といった幅広い分野で活用されています。